横浜市発祥の鍋料理で、味噌や醤油を使用したたれで牛肉を煮込む「牛鍋」は、1859年の横浜開港に端を発します。当時、横浜港周辺の外国人居留地で暮らす人々が食べていた牛肉料理が、この料理の原点とされています。牛鍋はすき焼きに似ていますが、肉を焼くのではなく、最初からたれで具材とともに煮込んで調理され、煮込まれた野菜や肉を生卵につけて食べます。

横浜は開港当時から西洋文化の影響を受け、その中で食べ慣れていなかった牛肉を、日本人好みの味に仕立て上げたことが、牛鍋の人気の出た秘密です。そのおかげで、牛鍋は広く親しまれ、横浜を代表する名物料理として根付いています。

日本では高級料理のイメージがあり、お祝い事などのハレの日に食されることが多いです。郷土料理でもある牛鍋を味わってみてはいかがでしょうか。